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終わらない物語 ~夕凪の町 桜の国~
2005 / 08 / 14 ( Sun ) 06:22:51
長いこと漫画オタク(笑)をやっていると、
「どうしても語りたい。いや、語らせて欲しい…!」
と強く感じる作品と出会うことがあります。


こうの史代さん作、「夕凪の町」もそのひとつ。


この作品は、平成16年文化庁メディア芸術祭・マンガ部門大賞
受賞作品であり、被爆(または戦争)の悲しみを背負ってしまった
人々を通して戦争の意味を静かに問い直す、深く厳しい物語です。


他者の痛みに歩みより、そっと寄り添う作者の姿勢にただただ、頭が下がるばかり。
こんな切り口で描かれた反戦漫画はこの「夕凪の街」が初めてじゃないでしょうか。


お話の運び方も絶妙です。たった30ページの中にちりばめられたエピソードには
一切の無駄がなく、その全てが、ラスト2ページの空白に集約されているのです。

もう、何もかもが素晴らしい。
大好きです。









「うちは この世におっても ええんじゃと 教えてください」

舞台は広島。
終戦から10年、街は徐々に復興し、毎日は穏やかに過ぎてゆく。
仕事をして、ご飯を食べて、可愛い洋服に憧れて、淡い恋模様もあって。
そんな一人の女性の日常の、しあわせで美しい風景にすっと差し込まれてゆく、黒い影。

壮絶な記憶は、心の隅々まで焼き付いていて
小さな充実を感じる度、当たり前に日々を過ごす度、
じわじわと染み出しては身体ぜんぶに絡みつき、
暗く澱んだ水底に、意識をひきずりこんでゆく。


それが悲しいだとか悲惨だとか、

たったひとことで云い表せるほど、生易しいものなんかじゃないってことを

どれだけたくさんの言葉を尽くしても、尽くし足りないのだと云うことを

私達に身近な目線で教えてくれる、掛け替えのない漫画です。


読み終わった後、私は涙が止まりませんでした。


「生きていく。
それでも生きていく。
生きていられる間中、精一杯生きていく。」


涙で霞む慟哭の向こう側には、
そんなメッセージさえも垣間見えた気がします。

ささやかながらも懸命に生きていた人々にとって戦争とは、原爆とはなんだったのか。

その答えの一つを、作品を通して感じ取ることが出来るかも、しれません。




未読の方は、是非。










明日は終戦の日。
自分の中の“小さな戦争”と向き合いながら
また今を生きてゆきます。

平和を願って…。







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すきな本(16) 静かに平和を こうの史代『夕凪の街 桜の国』
もう8月も半ば。毎年、この時期、戦争と平和を考える。&nbsp;こうの史代 『夕凪の街 桜の国』が、話題(双葉社)だ。http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4575297445/250-4554671-8109821 平成16年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞している。 作品は、昭 「すきなもの日記」~子ども支援のために~【2005/08/14 20:29】
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